弁護士 普門大輔のふらっふBLOG

大阪市のまちがった生活保護運用について事例調査をしています。情報をお寄せください。

2014年4月01日 | カテゴリー:お知らせ

 

本日、生活保護基準引き下げ第2段階が実施されました。消費税8%の実施措置(引き上げ)も併せて行われているため分かりづらいのですが、確実に最低生活費は下がりました。

(詳細は、http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/  や http://ameblo.jp/seiho-shinsaseikyu/ をご覧ください)

生活保護「改正」法施行を目前に控え、大阪の生活保護各部署にて、法律を誤った違法な運用が行われている問題について、大阪市生活保護行政問題調査団を組織し、適法な運用を求めた取り組みを行うことになっています。まずは、こうした違法な運用事例を調査するため、4月9日(水)午前10時~午後5時まで、フリーダイヤル0120-607-361で特設ホットラインを開催します。

問題となっている例

①生活保護を申請したばかりでまだ開始決定も出ていないのに、福祉事務所からハローワークを通じた具体的な求職活動を行うよう指示されたり、「仕事に就くこと」を求められている事例

②生活保護を受けているという親族がおり、長く音信も交流も途絶えていたのに、福祉事務所から突然、親族だから養えないかという連絡がきた事例

③介護を必要とする生活保護利用者が、車いすなどの福祉用具を必要としているが、福祉事務所から介護扶助の対象となる1割を自弁するよう言われ、貯めておいた保護費を充てざるを得なくなる事例

④後発医薬品は病状に対する薬効が違うので、先薬を使い続けたいが、福祉事務所から後発薬に切り替えなければならないといわれている事例

などです。また、不正受給は決して許されない問題ですが、一部の不正受給事例をなんら問題のない大部分の生活保護利用者までがそうであるというような風潮が広がっていますが、この風潮に乗じるかのように、生活保護利用者に対して不必要な圧力を与える福祉事務所も報告されています。

同時に、生活保護行政を担当する福祉事務所で働く職員の就労環境や実施体制がきわめて低下しており、たとえば、充足率は61%と政令市・中核市の中でも最下位となっています。充足率は、あるべき標準配置職員数に占める現実人員の割合をいい、数値が低いほど、一人のケースワーカーがより多くのケースを担当していることになりその負担が大きいことを意味します。

特に2008年のリーマンショック以降、生活保護を必要とする人が増え、職場は圧倒されたことから、官製ワーキングプアと呼ばれる劣悪な労働条件で働く任期付職員、非常勤嘱託職員の方々が増えています。熟練職員が減り、知識やノウハウの承継が不十分なため、職員の疲弊度はますます強まっています。この間の同行支援などで感じるのは、このままでは大変なことになる、と現場の職員一人ひとりは気づいていながらも、自分たちでは修復したり、速度を緩めたり、方向転換できないほど大きな慣性力のようなものがあって、声を上げられない雰囲気を感じることもあります。

こうした悪循環やボタンの掛け違えを改善させる取り組みとして、5月に調査団活動を行う予定です。

 

 

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